美味だれとは?

美味だれ焼き鳥

日本全国どこでも食べられている「やきとり」は、お酒の席の定番であり、誰もが知る食の王道です。信州上田ではお酒の席だけにとどまらず、自宅の夕食にも登場するほど親しみ深い食べ物となっています。そんな当たり前の「やきとり」ですが、2010年に市民有志がご当地グルメを発掘する調査を行った結果、信州上田の「やきとりの食べ方」はなんだか他と違うらしいという事実が発覚しました。

信州上田を訪れた方、移住してきた方が口をそろえて「これは上田に来て初めて食べた」と言う「やきとりの食べ方」、それは・・・

「やきとり」に「ニンニク醤油ダレ」をかけて食べること

信州上田で初めてやきとりを食べる方々にとって、その方法や味わいは新鮮そのもの。上田市民にとって何の違和感もないこの食べ方は、上田地域の人々の独特な食べ方だったのです!この食べ方が誕生した当時は、ニンニク醤油ダレが入ったコップがテーブルに置かれており、そこにやきとりを直接入れて食べていました。(串カツの食べ方と同じイメージ。もちろん二度付け禁止でした)現在は、多くのお店がやきとりと一緒に美味だれの入った器を提供し、お客様が自分の好きなタイミングで、好きなだけかけて食べています。

美味だれ焼き鳥の歴史


鳥正初代店主
宮下氏(写真中央)

日本が高度経済成長期だった昭和30年代、上田市の産業も大きく発展していました。まちは働く人たちで活気にあふれ、その活気は仕事終わりの時間も収まることはありませんでした。そんな活気ある時代、上田では多くの人が家路に着く前の時間を焼き鳥店で過ごしていました。そして、家で待つ家族のためにその焼き鳥をお土産に持ち帰るというのも日常的な風景のひとつでした。

需要とあわせて焼鳥店の数も次第に増えるなか、鳥正の初代店主である宮下正三氏が、焼き鳥の新しい食べ方を考案。焼き鳥にニンニク醤油だれをかけて食べるという方法を、仲間と相談しながら作り上げたといわれています。その食べ方は見る見るうちに上田中に広がり、新しく店を出す人々も、タレの味を覚えるために修行に入ったり、味を盗むために通い詰めたりしていたそうです。

そうやって、いつの間にか定着したこの焼き鳥の食べ方は、家族で焼き鳥を食べに行く習慣や、焼鳥店に行ったことがない人も、お父さんの持ってきてくれた焼き鳥を夕食のおかずとして食べていたりと、50年以上経った現在も、世代を越えて、変わらず地元の味として多くの人々に楽しまれています。

美味だれ焼き鳥の歴史

「美味だれ」とは、2010年に発見した信州上田独特の食文化を表現するために市民有志が命名した「焼き鳥のたれ」のことです。

美味だれの定義は「すりおろしのニンニクが入った醤油ベースのたれ」とされています。味のイメージとしては「ニンニク風味の醤油」ではなく、「ニンニクたっぷりの醤油」という表現がぴったりのタレとなっています。

上田地域には60件ほどの焼き鳥店があり、そのほとんどが「美味だれ」を使用していますが、創業当時から継ぎ足しているお店や、毎年冬に仕込んで寝かせるお店、リンゴなどの果物や野菜をすりおろしてまろやかな味わいに仕上げているお店など、各店それぞれにこだわりの味となっています。
※味の調整のためにしょうがを使用しているお店もありますが、委員会が公認する美味だれは風味・香り共に[ニンニク>しょうが]としています。

美味だれの名前の由来

上田地域の人々にとって焼き鳥店で出てくるタレがニンニク醤油であることは当たり前ですが、市外からの来訪者とって一般的に「焼き鳥のタレ」と言うと「甘ダレ」を想像するということで、この度の再発見をきっかけに、美味だれで委員会によって、「信州上田のご当地やきとり」としての名前を検討することになりました。そこでつけられた名前が・・・

美味だれ(おいだれ)

上田地域には「おいだれ」という方言があります。これは慣れ親しんだ仲間に対して使う愛称であり、「おまえたち」という意味で使います。この方言に「美味しいタレ」というゴロを合わせ、後から追ってかけるという現在の食べ方を表現した「追いかけるタレ」という3つの要素を取り入れた名前となっています。

2010年の秋、美味だれで委員会は老舗の焼き鳥店を訪ねて歩き、命名した「美味だれ焼き鳥」という名前で呼んでも良いかどうか、各店の店主に許可をもらうことで上田のご当地グルメの新しい歴史が始まりました。

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